原油価格が市場始まって以来のまさかのマイナス価格に市場がどよめいています。このチョコ幾ら、マイナス100円と言われてもピンと来ません。チョコを買ってもお金が要らないどころか却って貰えるって事で良いんですか?
これは貯蔵施設が一杯になり保管料が値上げされ現物を貰うと却って維持費が掛かるという事で原油の押し付け合いが生じている為と言われています。だから多少損をしても売り合い合戦が始まって現金付けてでも売りたい心境が生じているようです。
ただこの現象は局地的な現象で他の場所では貯蔵施設に余裕があり、まだマイナス価格は生じていないようです。しかし飛行機も飛ばず多くの商店が閉まっている現状では石油も使われる場面が少ないでしょう。
新型コロナのピークが見えてきたので来月は幾分石油消費も回復するのではとみて来月分は大丈夫なようです。しかし凄い事になったもんだと思います。
もちろんこれには、国際関係の力関係が影響しています。世界ではサウジとロシアが敵対して増産に走り、お互いの潰し合いをしているという見方もありますが、実はサウジとロシアは裏協定があるのではと勘ぐってしまいます。
つまり今や世界一の産油国となった米国が共通の敵なのです。ここで一気に石油価格を下げればシェール石油で世界一になった米国を潰す事ができます。そうすれば昔の様に世界の石油市場をサウジとロシアで分け合えるわけです。
昔の良かった時代をもう一度という訳です。原油採掘は一度止まってしまうと再起動に多額の資金が必要になる為、この低価格に採算割れの石油会社はじわじわと苦しめられます。倒産になってしまえば生産の再開はありません。
そこをサウジとロシアは狙っています。特にシェール石油はコストが高いのであと一押しと言った所でしょうか。そんな訳で石油の史上空前の安売り合戦が続いている訳です。アフターコロナの世界はどこまで今までの世界を変えてしまうのでしょうか。